ロシアへの経済制裁と日本への影響について ウクライナ問題

クリミア半島は、黒海基地がある。
ロシアにとって、黒海基地と黒海は、ロシアから、地中海に抜けることができるため、EU圏への貿易と軍事の要衝になっている。
仮に、ロシアがクリミア半島を失った場合には、EU圏への海路を絶たれることになり、経済と軍事面で、大きなマイナスとなってくる。

国力は、主に、軍事力、経済力、文化力とこの3つから成り立っており、外交力は、この3つの要素に裏付けされて成り立っている。
その前提に立つと軍事力、経済力の低下は、外交力の低下を招くこととなり、国債影響力の低下につながる。

しかし、現在の情勢を見ていると、ウクライナのEU加盟は避けられないように見える。

考えてみると、
クリミア半島が、ロシア系の移民で大部分が占められているのは、ウクライナが旧ソ連崩壊時に、独立を果たしたが、その時は、独立はしたが、実質的にはロシアの支配圏だった。
しかし、さらに将来のため、ウクライナが、ロシアの支配から離れ、クリミア半島の支配が及ばなくなったときに、クリミア半島を確保するための大義名分として、ロシア系の移民政策を行っていたのではないだろうか。

そして、現在のクリミア半島は、自称独立の軍隊が、クリミアの独立を軍事的に確保し、ロシア系移民により、住民投票が行われ、ロシアへの編入案が可決された。

これにより、ウクライナが、クリミアと二分割されて、プーチン大統領の発表により、軍事侵攻も回避され、情勢は、落ち着いたように見えたが、

ここにきて、アメリカが
「クリミアは、ウクライナのものであり、ロシアへの編入は認められない。編入した場合には、ロシアへの経済制裁を実施する。」と強硬に主張している。

これには、どのような意図があるのだろうか。
表面上は、ウクライナのためといっているが、国際政治の世界では、それはありえない。
ウクライナのためという発言は、嘘であり、すべてはアメリカの国益ための発言でしかない。

それでは、どのような意図があるのだろうか。

■ロシアは、経済制裁を受けてでもクリミア半島は、譲れないという判断を下したということだろう。長期的に見た場合、クリミア半島の放棄による地政学的な軍事力、経済力リスクのほうが高いということだろう。
ロシアが、クリミア半島を放棄することは、考えられないので、アメリカによる経済制裁は、実施されるだろう。
経済制裁が実施された場合には、経済的にEU圏、アメリカ、日本と孤立することになる。その結果として、中国と経済的により、近づかざる得ない。そして、生き残りのために、新たに中露経済圏が生まれる可能性がある。

■EU圏は、報道を見ていると、経済制裁については、それほど乗り気ではないように見える。何故かと言うと、EU圏で使用する天然ガスの3分の1は、ロシアからの輸入だからである。ロシアからのガスの輸入が停止した場合、EU圏は、経済的に大打撃を被る。しかし、アメリカが経済制裁を決定した場合、EU圏も同調する必要が生じ、ガスを輸入するわけにはいかなくなる。
その場合、EUで使用する天然ガスの3分の1を賄えるだけの新たなガスの供給先を探す必要があるが、世界第2位のガス輸出国であるロシア以外では、供給先の確保は、実質的には、不可能だと思われる。

■日本は、現在、ロシアとは、良好な関係になりつつあったが、アメリカが経済制裁を実施した場合には、立場上100%アメリカに追随せざる得ない。その結果、年内に解決を目指していた北方領土問題は長期棚上げとなり、計画されていたロシアとのガス田の共同開発、ガス輸入の停止など、エネルギー政策において再度、大きな政策転換を迫られる。原発が停止している日本においては、致命的とも言えるのではないだろうか?
また、いずれの場合においても、ロシアの技術が、ロシア経由またはウクライナ経由で、中国に流出するのは、確実なので、結果として、中国の軍事技術の底上げとなり、日本の防衛上の脅威は、増すこととなる。
また、中露経済圏が成立した場合には、東シナ海のみならず、日本海側全体で、防衛網を再構築する必要が生じてくるため、日本は、軍事面でのアメリカへの依存度がより高まることとなる。

■中国は、アメリカの経済制裁が、されてもされなくても、どちらでも大きなメリットが得られるだろう。ロシアへの経済制裁が実施されれば、ロシアとより近づくことができ、されなくてもウクライナと近づくことができる。どちらの場合でもロシア、ウクライナは、経済的には困窮するので、その結果、ロシア、ウクライナ経由での軍事技術の流出により、軍事技術の底上げがされ、軍事力の強化に繋がる。ロシアの国力低下と軍事技術の底上げにより、一層、国際的な発言力が大きくなることが予想される。

■アメリカは、ロシアの国力を削ぐことで、相対的に国際的な地位を向上させることができる。また、ロシアとEU圏を分断することにより、EU圏は、ロシアからガスを輸入することができなくなるので、EU圏へ言値で、シェールガスを売ることができる。資源価格の操作である。さらに、資源によりEU圏を支配下に置くことも可能になる。
日本についても、ガス供給先の選択を無くすことで、天然ガスの価格を操作することが可能となる。さらに、中国の軍事力の強化と中露経済圏の成立により、軍事面でもアメリカへの依存度がより上がってくる。それにより、資源面も含めて、日本のアメリカ依存はより高まることになる。
アメリカへの依存度が高まることにより、アメリカの要求に対しての交渉力が低下する。
その結果、TPPでの交渉力も低下し、アメリカ主導で、すべてが決まり、日本は、本当の意味でアメリカの経済的な植民地となる可能性がある。


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